人事労務ニュース
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文書作成日:2018/08/28

半数程度に留まるマタハラ防止対策実施企業

 最近、ハラスメントの問題がメディアを騒がせており、多くの企業においてハラスメント研修が実施されるなど、防止に向けた取組みが以前よりも増えているように感じます。これに関連して、先日、ハラスメント防止対策の状況をまとめた平成29年度の「雇用均等基本調査」の結果が厚生労働省より発表されました。そこで今回は、この調査結果の中から妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(以下「マタハラ」という)の防止に関する取組み状況についてとり上げましょう。

1.マタハラ防止対策の状況
 マタハラの防止措置は平成29年1月1日より企業に義務化されましたが、実際の状況としては56.8%(前回52.8%)で取組みが行われ、対応が進みつつあることが分かります。これを企業規模別にみると、労働者数5,000人以上では96.6%(前回89.8%)、1,000〜4,999人では96.6%(前回87.1%)、300〜999 人では92.4%(前回82.5%)、100〜299人では84.7%(前回74.7%)、30〜99人では63.5%(前回61.7%)、10〜29人では49.3%(前回45.3%)となっています(下図参照)。企業規模が大きくなるほど取組み割合が高く、また前回の調査結果と比べると、すべての企業規模で取組みの割合が増えていますが、労働者数が少ない規模では、まだまだ取組みが浸透していないようです。

2.マタハラ防止対策に向けた取組み
 具体的なマタハラ防止対策としては、就業規則等にマタハラ禁止についての方針を定めたり、研修を実施したり、相談窓口を設置することが挙げられます。この中で、研修については、どのような行動や発言が問題となるのか、具体例を挙げながら理解を深めるとよいでしょう。併せてマタハラには該当しないとされる業務上の必要性に基づく行動や発言があることから、マタハラに該当するもの、しないものを整理して理解することが求められます。例えばマタハラには該当しないものとしては、以下のようなものがあります。

(1)業務体制を見直すため、上司が育児休業をいつからいつまで取得するのか確認すること
(2)業務状況を考えて、上司が「次の妊婦健診はこの日は避けてほしいが調整できるか」と確認すること※1
(3)上司が、長時間労働をしている妊婦に対して、「妊婦には長時間労働は負担が大きいだろうから、業務分担の見直しを行い、あなたの業務量を減らそうと思うがどうか」と配慮すること※2

※1 制度等の利用を希望する労働者に対する変更の依頼や相談は、強要しない場合に限られます。
※2 このような配慮については、妊婦本人にはこれまで通り勤務を続けたいという意欲がある場合であっても、客観的に見て、妊婦の体調が悪い場合は業務上の必要性に基づく言動になります。

 ハラスメントは問題が発生してから、対応の甘さが指摘されることが多くあります。この機会に研修内容を見直したり、1年に1回、定期的に研修を実施するなどして、防止に向けた取組みをしていきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査(確報)」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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